2009年4月15日水曜日

☆で測れぬ歴史

4月15日付けの讀賣新聞の「ニュースが気になる!」で「ミシュラン 京都 大阪版」のことが取り上げられている。
 ミシュラン側の評価が「皿の上の料理のみ」とするのに対し、老舗料亭などが「料理だけでなく、店全体の雰囲気なども評価されるべきだ」と反発、調査を拒否した店もある。対象からはずれた神戸の店からは「なぜ......」と不満もでており、反応は様々だ。さらに星付け会議の議長を務めるナレ氏(48)は「我々は歴史を評価するのではなく、お客さんに毎日出す料理で評価している。読者に店を推薦するのに、お店の許可は必要ない」と拒否されても、掲載すると説明している。
関西の食文化もなめられたもんだ、と正直思った。京都、大阪のこれまで培ってきた老舗や地元の人々に愛されて育んできた店達が、昨日今日訪れて来た顔の見えない異国の人に勝手に評価される筋合いは、まったくといってない。まして掲載を拒否している店を無視して載せるなどというのはメディアとして論外だ。あきれてしまう。「なんぼのもんじゃい」と言ってしまいたくなる。
確かに世界的に名の知れた本であるには違いないし、世界中の人達に関西の食が紹介されるのはいい事だと思う。ただその評価に対する姿勢がいかがなものかということだ。こういう本がでると、手にした読者は星で格付けされた店に問い合わせをしたり、実際に足を運んでしまうだろう。それはそれでお客さんが増えていいじゃないか、という甘い考えでは決して終われない店側の事情があることを理解しないといけない。それは一見さんが押し寄せてくることで、その店や味、ご主人やおかみさんが好きという理由で来ていた今までの常連さんや、ひいきにしていた他のお客さんの足を遠のかしてしまうおそれがあるからだ。
長年の付き合いの中でこそ生まれる店と客との信頼関係、雰囲気、そういったものが壊されてしまうのではないだろうか。おそらく彼らのなかではそういう意識はまったくなくおかまいなしなのだろう。東京版で味をしめて今度は関西か。
本来ならばお店というのは格付けなどというばかばかしい尺度で測られるべきではない。
それはきちんと歴史がおしえてくれているはずだからだ。
「大阪、京都、神戸のほんまもんのうまい味やええ店をおまえらには分かっていらんわい」
と街の声がそういっている。

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