2009年8月25日火曜日

酒ノ力

 
己を計る鏡としての抑制が効く間は、
足踏みする背中を押す刃物たる。
故に別世の扉として古より神事に用い精錬されてきたのか。

そんな魅力と魔力併せ持ち、
己が器に余ればあふるる酒のもとへ
忘れられぬ記憶を肴に
避けて通れず通ってゆくのか、
誰か今宵も。


 

2009年8月22日土曜日

酒のこころが知りたい


ふと思いついたフレーズ。「酒のこころが知りたい」
酒にこころなどあるのか、ないのか。あれば知りたい。なぜそうまでして俺を酔わすのか。聞いてみたい。なぜ俺を酒の海へと誘うのか。深ければ深いほど視界が良好になっていく。何度おぼれたことか、あやうく命を落としかねないところまでいったこともある。
しかし酒を愛している。いや酒が好きではないな。酒を飲む俺自身が好きなのかもしれない。ただいつまでもつきあっていたい。カラダとココロが悲鳴をあげたとしてもつきあっていくつもりだ。だから教えてくれ、飲まずにいられないようになるのはなぜか。俺は馬鹿か。
リービング・ラスベガスのニコラス・ケイジのように酒を煽るように飲みながら死んでいくのは本望かもしれない。俺はアホか。上等だ。

いつものカウンターに座っていると隣に同世代の女性がやってきて、赤ワインのグラスを注文した。グラスを持つその指に俺はめくるめく欲望を抱いてしまった。一口飲むたびに口をつけたグラスをその指でぬぐっていた。俺はたまらずマスターにハイボールのおかわりを頼んだ。
3杯目のグラスは俺のノドを潤してすぐになくなった。これではいくらおかわりしてもすぐにノドが渇いてしまう。彼女のワインを飲むスピードはあきらかに遅かった。ただグラスを持つ指が美しい。爪の先までがしなやかな動きでたまに両手をきちんとグラスに添えて背筋をのばしている。所作が美しいと落ち着くのはなぜだろう。そんなことを考えていた。
すると彼女がふと俺のほうに顔を向けニコッと微笑んだ。俺はただ見つめていただけだった。
なんのリアクションもとれないまま固まってしまいどうしたらいいかわからず、またハイボールを注文した。



2009年8月4日火曜日

本はオモイ

 
身の回りの物を減らして、出来るだけ身軽にシンプルに暮らしたい。
震災を通じて物質の無意味さも痛感した。

しかし本には特別な魅力ある。

情報だけなら端末機器でも間に合う時世、
実在感が伴う良書は、美しい器に盛られた料理のようで愛しい。
想いを託して束ねた紙は、実際の質量より重いようだ。
増殖する本で、いつか我が家の床は口を開けるかもしれない…。